風に聴く 六

”風はね、何かを運んで来てくれはる。音もやけど、においもね。大事なんは風に『聴く』ことやわ”

 

「何でやの?」

 

”『聴く』は、自分から耳を澄ませて音を聴きにいくこと。『聞こえる』ではあらへん。”

 

「へぇ、ほな何を聴いたらええのん?」

 

”風の歌に耳を澄まして心で感じてみぃ。今の自分に気づけるよー。”